兼業受験生の勉強方法

兼業受験生としてこの1年勉強に取り組み、兼業受験生は兼業受験生なりの戦略をしっかり持たないと合格はできないと確信しました。司法書士試験合格のために「勉強時間は3000時間は必要」「5000時間は必要」といったことが巷では言われていますが、仕事と両立させる前提でこれだけの勉強時間を一年の間に確保するのはまず不可能です。

投資の世界では「投資プロセスの意思決定の中で最も大切なのはアセットアロケーション」と言われています。アセットアロケーションの巧拙で数年後の運用成績が決まります。限られた時間を有効に活用するため「どの教材にどの程度時間をアロケーションするか」を今の時点で明確にしておきたいと思います。

本試験が終わったからといってリセットしない

私が司法書士試験を始めたのは2012年ですが、試験での合格を目指すというよりは会社の業務の役に立てば、程度に考えていたためだらだらと勉強をしてきました。本試験もその間何度か受験したのですが、適当に回答し、周りで記述の回答をガシガシ書いている人たちを眺め「よくこんな問題解けるな」と感心しながら「なんか充実した1日だったな」程度に考えていました。

そしてまた年末くらいになると一番最初のテキスト(民法)へもどって勉強を再開する、といった感じで、教材も何度か変えたりしていました。その結果民法だけ勉強して本試験に臨んでいました。

この反省を踏まえ、今年は7月までやっていた勉強をそのまま継続することにしました。壊滅的だった午後科目と記述を7月以降進めています。

自分に適した勉強方法を見つけ出す

昨年は11月から2月までほぼほぼオートマテキストを読むことに費やしましたが、振り返ってみると睡魔との戦いでした。合格した方のブログを読んで「本試験まで20回読んだ」といったコメントに触発され、「自分も最低10回は読むんだ」と息巻いていました。

ところが通読できたのは3−4回、その結果本試験前に「でるトコ」の基本的な問題さえも正確に覚えられていないことに愕然とし、「勉強がんばってきたつもりであるが、こんな基本的な問題も覚えていない状況で本試験に臨むのか」と忸怩たる思いを持ちました。

テキストの読み込みはインプットには欠かせないものであり、とても重要だと今でも思いますが、よく理解もしないまま読み進めることは正直苦痛であり、仕事で疲れている時間帯に取り組むのは私には向いていないと思いました。費やす時間に対する効果が低いと感じました。

この反省を踏まえ、各科目の基本的事項をしっかり頭に入れる、具体的には「でるトコ」4冊の内容を理解し正確に覚えることに年内は重点を置きます。そして基本が身についた段階でテキストを読み、知識を広げていく、という方法がいいのではないかと今は考えています。

8月に会社法のでるトコを何周かした後オートマのテキストを試しに1冊読んでみましたが、以前よりもストレスなく読み進めることができるようになったと感じました。「でるトコ」で基本を徹底的にマスターすることに年内は注力します。

記述を早い段階から取り組む

択一の勉強が上記の通りだったので、なかなか記述に取り掛かる気が起きず、結局オートマ記述式を少し解いただけで今年の本試験に臨みました。当然問題をまともに解くことができませんでした。

そこで7月の本試験後からオートマ記述式不登法をスタートし基本問題は3周を終えました。記述を初めてまともに勉強して気付いたことは、択一で理解が今一歩だった事項が理解できるようになってきたということです。

択一の登記法の問題は当然ですが登記実務に関する問題なので、実際の書式を理解していないとイメージがわかない事項がたくさんあるんだなと改めて思いました。

仕事、家族と勉強のバランス

会社勤めをしていれば、急に業務が忙しくなったり、トラブルに巻き込まれたり、異動して新たな業務を覚えなければならないことがあったりします。

家族内でも事件が起こることがあり、勉強時間の確保は本当に大変です。全ての空き時間を100%自分のために費やすことができた若い頃が懐かしく思いますが、無い物ねだりをしても前には進めません。

時間が取れるときにしっかりと勉強し、時間が確保できない時も焦らず自然体で行きたいと思います。毎日3時間勉強することを1年間続けることができれば、試験の合否は別として、社会人としての成長は間違いなくあると確信しています。常に目線は高く、前向きに取り組んでいきたいと思います。

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LIFE SHIFT – 司法書士試験への挑戦